今日はこちら。
ギルド門侵犯のコモンカード。
今流行のならず者ですが、残念ながらスタンでは使えません。
戦場に出た際にプレイヤー1人を対象とし、土地がめくれるまでライブラリーを墓地に送ります。
通常デッキには土地が4割ほど含まれている為、大体2枚ほどしか落とせません。
とはいえ4マナ2/3飛行とすでに本体性能だけでリミテッドでは十分活躍できます。
では構築では?と言うと土地を1枚も入れないことで、解決するとすべてのカードを墓地に送ることができるThe Spyというデッキが構築できます。
主な主戦場はエターナル。
まず水蓮の花びらや猿人の指導霊でマナを生み出します。
次にこれ、あるいは地下街の密告人を戦場に出して自分を対象に能力を起動します。
デッキ内には土地が1枚もないためすべて墓地に行きます。
その結果復活したナルコメーバを元手に戦慄の復活をフラッシュバックしてフィニッシャーを戻して勝ちます。
今ならタッサの信託者でしょう。
凄い動きをするデッキですが、水蓮の花びらなどの0から1マナを湧かすカードは、ほとんどがエターナルにしかない存在であったため組むことができませんでした。
しかし、ゼンディカーの夜明けによって大革命が起こります。
それが土地として使えるにもかかわらず土地として扱われないカード、つまりスペル土地です。
これらの登場によって、ほとんどがタップインであるというデメリットはあるものの、通常通り24枚ほどの土地をデッキに投入することができ、モダンはおろかパイオニアでも構築が可能となりました。
とはいえ戦慄の復活が使えない為、決めた後のルートが若干異なります。
まず這い寄る恐怖で12点ドレインします。
それにより銀打ちのグールが復活。
ついでに秘蔵の縫合体も相手ターン終了時に登場。
そして次のターン、悪戦+苦闘を墓地から唱え、威迫をつけて勝利します。
この際ライブラリーアウトで負けてしまうのを防ぐため、世界棘のワームが二枚採用されます。
さてこうした中で、クリーチャーをサーチするカードを増やすことで、実質的なスパイの枚数を増やそうという動きが出てきます。
しかし、このデッキは余りにも積まなければならないカードが多く、結果としてデッキ枚数はどんどん増えていき、ついには80枚を突破してしまいます。
なんとか枚数を減らそうと試みるもどうにもその前後が限界。
しかしそのままではデッキ枚数だけで相手にゲーム前からデッキがばれてしまう。
こうした中で生まれたのが空を放浪するもの、ヨーリオンを相棒にするというものです。
こうして生まれたデッキがスパイヨーリオンです。
デッキタイプを偽るためにヨーリオンを相棒にするというのは、スタンダードでも行われた手法ですね。
とはいえ赤単がデッキパワーを落としながら、ヨーリオンを採用したのに対し、こちらはデッキパワーを高めつつ採用しているのが違います。
こういうことができるようになったのもやはりスペル土地が大きく影響しています。
以前はエターナルですら数えるほどで、それらを4枚揃える必要がありましたが、今回6種*5色*4枚追加されたことで、80枚と言うデッキ枚数にも十分対応できるようになりました。
こうしてできたこのデッキですが、利点は他にもあります。
欄干のスパイの効果はこのデッキにおいてデッキ全てを墓地に送るという効果ですが、手札を墓地に送ることができません。
つまり世界棘のワームを手札に二枚引いてしまうとこのデッキは敗北してしまうことになります。
同様に這い寄る恐怖や銀打ちのグールなどが手札に来てしまうと、効果発動時のリターンが少なくなってしまいます。
こういった確率が80枚にしたことで少なくなっています。
さてこうした動きの中で、ヨーリオン=スパイという認識が広まれば、通常の青白コンもまた活躍できるようになるかもしれません。
思考囲いが入っているとはいえ、マストカウンターはわかりやすいデッキですからね。
スペル土地がもたらした想定外のデッキの話でした。ではでは!