今日は上陸について。
上陸と言う能力はゼンディカーで初登場し、以降ゼンディカーを舞台としたパックには必ず収録されています。
能力としては土地が自分のコントロール下で戦場に出るたびに誘発する能力です。
なぜこれが強力かと言うかは土地と言うカードタイプが特殊であることに起因します。
今回は俗称上エンチャントと呼ばれた星座と比較してみていきたいと思います。
一部の特殊なデッキを除けば土地と言うカードタイプは、常にデッキの4割近く投入されるものであり、マジックの歴史はこれとの戦いであるといっても過言ではないほど関係の深いものです。
マナスクリューやマナフラッドはプレイヤーにとってありふれたものであり、いかにこれを少なくできるかと言う研究は今なお続いています。
全く意識せずともある程度上陸を起動させることができます。
これが星座との違いの一つ目であり、最も大きな違いです。
上陸はそれを使用するためにデッキをゆがめる必要がなく、それを起動させるためのカードは常にデッキに大量に入っています。
土地というカードのプレイはマジックの中で特別な意味を持ちます。
それは呪文のように打ち消されることがなく、スタックを作りません。
大抵の上陸クリーチャーは着地誘発を持っていない為、このことは上陸持ちを出した後に土地をプレイすれば、その上陸能力が起動する前に相手に除去を飛ばすタイミングがないことを意味します。
これが星座との違いの二つ目です。
星座は唱えたエンチャントが打ち消される可能性と、エンチャントが着地する前に星座持ちが除去されてしまう二つの可能性を持っています。
(脱線①着地誘発を持つ上陸持ちはその起動により除去を撃つタイミングを与えます。
その1つが創造の座、オムナスであることは明記しておくべきでしょう。)
(脱線②星座が一度も起動することなく墓地に送られるのを防ぐために二クスへの旅で星座が初登場した際には、星座持ちはすべてエンチャント・クリーチャーでした。
これであれば着地と同時に確実に星座を起動させることができます。
一方で上陸クリーチャーが土地になれば、同様に着地と同時に能力が誘発することも触れておきましょう。)
土地と言うものは非常に退屈なカードです。
それは呪文ほど劇的な効果を及ぼしません。
しかし、デッキに入れなければ話になりません。
このジレンマがマジックを面白くしているというのも確かでしょう。
マジックと言うゲームは無駄引きが常に存在するゲームです。
土地が多いときは土地が、少ないときにはそれ以外のカードが無駄引きになります。
この無駄引きを少なくする取り組みはこれまでも数多く行われてきました。
例えばサイクリングやルーティングはその典型例です。
上陸もこれに当たり、強い上陸をコントロールしている場合、土地を引いても有効に活用できることになります。
つまり、デッキ内に引いて弱いカードがなくなり、何を引いても強い状態となるわけです。
元々呪文であるエンチャントでしかない星座との大きな違いですね。
最後です。手札1枚で土地を2回戦場に出してみましょう。
簡単ですね。これが最大の違いだと思います。
フェッチランドと呼ばれるデッキから土地を出す土地は、すべての環境で当たり前に存在しています。
これらのカードは通常であればマナ安定にしか寄与しませんが、上陸であれば話は別です。
実際の所、創造の座、オムナスが下環境でも活躍しているのはこのフェッチランドとの相性の良さに起因すると思ってほぼ間違いないと思います。
また追加の土地のプレイ権を与えたり、単にデッキから土地を2枚出すようなカードは通常中盤でしか輝きません。
これは土地を伸ばし続けることが通常そこまでメリットがないからです。
しかし上陸持ちと組み合わさることで、ランプ呪文はいつまでもその輝きを失うことがありません。
遂に上陸持ちからスタン禁止カードが出てしまいましたが、これは上陸が失敗メカニズムだったということではありません。
土地を生かせるメカニズムは非常に強力ですが、それはマジックをより楽しくしてくれる素晴らしい能力です。
今後再びゼンディカーに上陸した際にはまた新しい上陸持ちとの出会いが待っているはずです。
ではでは!