昨日お話しした通りアモンケットでは優秀な戦士を、試練の末に殺害していました。
それが彼らの望みであったことは確かなのですが、しかしこれは...
王神、ニコル・ボーラスの陰謀だったのです!
優秀な修練者を集め殺害することでゾンビの軍団、永遠衆を作り上げた彼はついにアモンケット次元全体を巻き込み、侵略を開始します…。
今回はそんなアモンケットブロックの後編となる破滅の刻からトップレアスカラベの神を紹介します。
ダブルマスターズにも再録されました。
ダブル要素はないですが、非常に強いカードであることは間違いありません。
ドミナリア以降の伝説カード枠はやはりかっこいいですね。
スカラベの神は破滅の刻で登場したボーラスの従える三柱の神の一柱です。
ボーラスのメインカラーである青黒赤の内、青黒を担当します。
(残り二柱は青赤と黒赤です。
残念ながらダブルマスターズでの再録はなりませんでした。残当。)
他シリーズの神々と違い、破壊不能を持っていませんが、代わりに死亡した時、次の終了ステップの開始時に手札に戻す効果があります。
これにより倒せるには倒せるが倒しても倒しても降臨する悪夢みたいな神となるわけです。
ちなみに追放除去や墓地対策を用いることで対処が可能です。
例えばブラスカの侮辱あるいは他の手段と合わせてマグマのしぶきなんかもよく見られました。
ただ一方で戦闘制限もないので、どちらかといえば普通よりしぶといだけのクリーチャーな気もします。
起動型能力は(2)(U)(B)払うことで、墓地からクリーチャー・カードを追放し、黒の4/4のゾンビであることを除きそのカードのコピーであるトークンを戦場に出します。
この能力は大変に強力で、相手の墓地からも疑似蘇生することが可能なため、自分の墓地にクリーチャーがいなくてもほとんど困りません。
またサイズが大抵巨大化するので本体に対処してもトークンが残り、結局負けということもあり得ます。
インスタントタイミングで蘇生できるため、優秀なETB能力を持つクリーチャーを蘇生したりする場面もよくありました。
例えば人質取りはスカラベの神に飛んできた追放除去にスタックし、スカラベの神を対象に取ることで、除去をかわすといった使い方も見られました。
相手としては人質取りをどかしてもスカラベの神が降臨するし、放置していても普通に唱えられてしまうので、非常に厄介でした。
また、墓地対策としても優秀であり、ミラーで墓地にいるスカラベの神を追放することで手札に戻ることを防ぎながら、自分のスカラベの神を手札に戻すというプレイングもよく見られました。
(伝説ルールにより、トークンと同名の自分のスカラベの神は墓地→エンドフェイズの開始時に手札に戻る)
注意点として呼び出したトークンは色が黒でゾンビであり、他の色やクリーチャー・タイプを持ちません。
霊気の疾風の対象に取れなかったり、単色になります。
他の能力が派手すぎて結構忘れがちなのでご注意を。
幸い4/4にする特性定義能力があるため、例えば冬荒野の指揮官は他に騎士がいなくても即死しません。(706.9d参照)
MOここにバグがあったような?
誘発型能力は自分のアップキープ開始時にゾンビの数だけのライフルーズと占術を行う能力。
呼び出したトークンはゾンビである為、展開を行いながら相手のライフを削り、ドローの質を高めることができます。
場に一体もいなくても誘発し、アンタップした土地を寝かせて起動型能力を挟むことで効果を高めることができます。
ちなみにスカラベの神自身がゾンビになればその分数が1体増えます。
構築では青黒コントロールで活躍しました。
先述の通り相手の墓地からも釣れるので、使う側のクリーチャーはそれほど必要なくその制圧力から結構活躍しました。
また、4色エネルギーというデッキを生み出し、そこでも活躍。
ティムールエネルギーという当時の最有力デッキが二番手の赤単へのガードを下げる代わりに、ミラーに勝ちやすくなるように作られたデッキで、カラデシュ∼イクサランまでのあらゆるパワーカードが詰め込まれた非常に面白いデッキでした。
これによりティムールエネルギー<4色エネルギー<赤単<ティムールエネルギーという三すくみが生まれ、環境が面白くなりました。
ところでこの神顔の部分がスカラベになっています。
別名フンコロガシはフンを後ろ足で転がして進む昆虫なのですが、この様子から太陽を象徴するとして神聖視されました。
太陽神ラーと同一視される由緒正しき紙です。
元ネタであるケプリとそっくり。
さて、そんなスカラベの神がヒストリックに登場。
エスパーコントロールでその強さを見せつけてくれるかどうかは定かではありませんが、正直かなりワクワクします。
どれくらいわくわくするかというと大体いつもの二倍の長さの記事を書くくらいです。
長文お疲れ様でした。ではでは!