今日はこちら。
アイスエイジで登場した黒3マナのエンチャント。
ドロー・フェイズを飛ばし、カードを捨てるたび追放されてしまう代わりに、ライフ1点でライブラリーの一番上のカード1枚を追放し、次の自分の終了フェイズの開始時にそれ手札に加えるという能力を持ちます。
登場直後の評価はカスレア。
ドロー・フェイズスキップのデメリットや自分の終了フェイズに加えるというタイムラグ、そもそも画像の通り文章が細かく、当時は英語版しかなかった為、ちょっと何言ってるかわからない状態だった等、あまり強いと思われていませんでした。
実際ライフと手札が尽きてしまえば後は死を待つだけの置物となってしまい、セルフロックとなります。
僕も小学生当時これを初めて見た時、ドローが遅くなりライフが1点要求される様になる意味不明のカードだと思い、起動型能力を1ターンに複数回使えると気づくのはそれよりずっと後の事でした。
しかしいざ使われてみるとその評価は一変。
ライフと手札が尽きる前に相手を倒しきれれば何も問題はなく、また当時はこれを黒単色デッキで破壊できるネビニラルの円盤が存在しました。
ネクロポーテンスから引いたトーラックへの賛歌や露天工床で相手のリソースを縛り、並んだところをネクロポーテンス毎ネビニラルの円盤で吹き飛ばすこの高速コントロールデッキはネクロディスクと呼ばれ、瞬く間に環境を支配しました。
世界選手権96では上位卓をネクロが締める通称ネクロの夏が起こります。
そんな中当時の強豪プレイヤートム・チャンフェンはプロテクション(黒)を持つクリーチャー3種12枚と解呪4枚を手に決勝戦まで駒を進めます。
しかしそこで待っていたのは当時世界最強との呼び声高かったマーク・ジャスティスと、鏡写しのようにプロテクション(白)を持つ7体のクリーチャー及び飛行により騎士にブロックされない4体の惑乱の死霊でした…。
二人の熱戦の様子はここでは語りませんが、今尚語り継がれるほどの伝説の試合だったとだけ書いておきましょう。
二人の激戦から二十数年経った現在のネクロポーテンスの主戦場は統率者です。
初期ライフは40点と倍になり、豊富なマナ加速から大量ドローを行います。
聖遺の塔や思考の器で手札上限を無くせば気兼ねなくドローができますし、無くてもキーパーツのみ手札に残せばそれはそれで勝てるでしょう。
レガシー禁止、ヴィンテージ制限は納得の貫禄。
その魔力に是非とも酔いしれてみたいです。
ではでは!