今日はこちら。
土地は難しい。多すぎても少なくても困る。
充分に土地が伸びた後に土地。次のカードも土地。土地土地土地。
長いMTGの歴史の中でこうやって死んでいったものは数知れない。
そういった死者が集まったのがここ、死者の原野である。
出てくるゾンビはかつてマナフラで死んでいったプレイヤー達に違いない。
タップインの無色土地である死者の原野は自分の場に土地が出るたびに7種類以上存在するのなら2/2のゾンビを出す。
この7種類というのが非現実的と考えられ、プレビュー段階ではあまり注目されなかったが、すぐに頭角を現した。
基本セット2019で登場していた風景の変容とのコンボはすさまじく、土地を7枚入れ替えれば7体、8枚なら16体、9枚なら27体ものゾンビを湧かした。
時を解す者、テフェリーが相手のエンドに打消しを恐れず風景の変容を撃てたのも大きい。
実際のところあまり使われていなかった風景の変容をメタゲームに入れるために作られたカードだというので、その、目論見は見事達成されたわけだ。
しかし、風景の変容がローテ落ちした後も相棒不屈の巡礼者、ゴロスと共に環境をけん引した。
以降、死者の原野がスタンダードにおける禁止カードになるまでゴロス原野はトップメタを走り続ける。
死者の原野はなぜ強力なのか。理由は二つ。
7種類というと難しそうだが、ここで仮に2色デッキだと仮定しよう。
するとデッキに入る土地は現スタンダードであっても以下の通り。
・死者の原野
・基本土地2種
・城2種
・神殿
・ショックランド
・トライオーム
さらにゲインランド、寓話の小道も考えれば7種類という数は全く非現実的ではない。
条件が思ったより厳しくなかった。これが一つ目の理由。
原野デッキの構成は以下の通りになる
・30枚近い土地
・ランプカード
・フィニッシャー
土地を出せばゾンビが2,3体出るため土地はいくら引いても無駄引きにはならない。
ランプも同様。
(移動経路のように出せるものが限定されている場合は別。
ただし手札にある移動経路はサイクリングができる)
そしてフィニッシャーは言わずもがなである。
つまり、条件さえ整ってしまえば原野デッキに無駄カードがなくなってしまう。
これが二つ目の理由。
土地が出るたびに1体程度であればまだしも3体4体ともなればもう手の施しようがない。
特にミッドレンジやコントロールに対して強く、それらのデッキを環境から駆逐してしまった。
(実は一人残っていた。玉座を狙う泥棒が一人。
)
パイオニアでも猛威を振るった。約束の刻で容易にトークンを量産。
死者も量産し、こちらでも禁止カードとなった。
現在の主戦場はヒストリック。
一度一時停止になるも大量の土地対策、トークン対策カードが収録されたことで復帰。
環境の一角として現在も活躍している。
一番の原因は炎樹族の使者の一時停止だろう。
これによりアグロ最大勢力であったグルールアグロが大きく数を減らしたために、土地を7枚並べるまでゲームが続くようになった。
そんな死者の原野にも少しづつ変化が。なんとティムール再生に入り始めている。
先述した通り、7種類の土地という条件はそこまで厳しい縛りではない。
流石に3,4枚集めることは難しいものの三色デッキに何も考えず投入してもそこそこ活躍してくれる。
今後も同様に三色以上のデッキに投入され、結果を残すだろう。
伝説の土地だったらよかったんじゃないですかね。ではでは!