今日はこちら。
カルロフ邸殺人事件にて登場した本体火力。
赤5マナフラッシュバック7マナのソーサリーで、
各対戦相手はそれぞれ「黙秘」か「密告」かを秘密裏に選び、
それらの選択を公開、
全員が「黙秘」を選んだ場合4点、
全員が「密告」を選んだ場合8点、
そうでないなら「黙秘」を選んだプレイヤーに12点のダメージを与える効果を持っています。
まずは囚人のジレンマについて。
1950年に数学者アルバート・タッカーが考案したこのゲームは、
まず二人の囚人がいて
・お互い「黙秘」したら懲役2年
・どちらかが「自白」したら「密告」した側は懲役0年、
「黙秘」した側は懲役10年
・お互い「自白」したら懲役5年
とした場合、囚人達はどうすべきかというルールの元行われます。
この場合お互いに相談し、
「黙秘」を続けることが最適解になるのですが、
相談ができない場合
・相手が「黙秘」
「黙秘」→懲役2年
「自白」→懲役0年
・相手が「自白」
「黙秘」→懲役10年
「自白」→懲役5年
と常に「自白」の方が懲役が短くなり、
結果的にはお互い損をする「自白」の選択肢を取ってしまうというのがこのジレンマになります。
ちなみにお互いに「黙秘」をするパターンもあり、
このゲームが無限に行われる場合、
お互い「自白」だとお互い「黙秘」より2.5倍刑期が長くなるため、
例え1回「自白」してもそのアドバンテージはすぐに吹っ飛んでしまいます。
その為彼らは最初に「黙秘」を行い、
以降その選択が変更されることは無いまま、
無限に「黙秘」を続けることになります。
さてmtgの話に戻ると、
・「密告」「密告」
「黙秘」→12点
「密告」→8点
・「黙秘」「密告」
「黙秘」→12点
「密告」→0点
・「黙秘」「黙秘」
「黙秘」→4点
「密告」→0点
となり、常に「密告」有利になります。
5マナ4点火力としては心許ないものの安定8点ならまあ許容圏内。
ダメージである都合上先程の無限試行は発生せず、全員が「黙秘」は考えづらい為それなりに強力と言えるでしょう。
ちなみにプレイヤー視点だと
「黙秘」「黙秘」「黙秘」→12点
「黙秘」「黙秘」「密告」→24点
「黙秘」「密告」「密告」→12点
「密告」「密告」「密告」→24点
と全員「密告」の選択肢がかなりおいしいのも付け加えておきましょう。
このカードの面白い点はそれを統率者戦中にやることで、
仮にライフ4点以下のプレイヤーがいたとすると、
「密告」を行い誰かが「黙秘」をして生き延びる可能性に掛けるか、
「黙秘」を行い自分を犠牲に卓の平和を守るかの選択を迫られます。
ライフ8点以下、12点以下も面白いですね。
フラッシュバックが付いてるのもかなり面白い点。
もう一回チャンスを上げましょう。
おやまた8点ですか。
それでは全員無傷の状態からコピーして都合5回唱えます。
あなた方は生き残れるでしょうか。ではでは!