今日はこちら。
カラデシュには霊気と呼ばれるエネルギーが充満していました。
人々はそれを使い独自の発展を遂げるとともに、一方でその枯渇を心配し、利権を奪い合っていました。
まず基本土地をサーチして手札に加えます。
地勢効果は色補助になり、そのターン土地を出していなければテンポロスもほとんどありません。
一方で1ターン目に撃つ為にはアンタップインの緑マナ源が一定数必要だったり、多色デッキなのに基本土地を多めに取らないといけなかったりといったデッキ構築上の制限や、結局は色補助にしかならないといった上限の低さなどからなかなか環境入りしない種類の効果のカードでもあります。
ただ一方でそんなカードを環境入りさせようというのもカードを作る際の試みの一つです。
例えば最新弾ゼンディカーの夜明けの荒地の開墾はキッカーによって基本土地を2枚持ってきます。
このカードの追加効果はエネルギー2個でした。
最も相性の良かったのは牙長獣の仔です。
いつでも大きくなれる効果を持ちながら、攻撃を通すとさらにエネルギーをため込みさらにブロックを困難にする効果を持つこのクリーチャーは、色が合っていることもあり、環境を代表する切り込み隊長として数々の試合で先陣を切ってきました。
他のカードも見てみましょう。
霊気拠点と導路の召使いは多色デッキの安定性を大きく支えました。
エネルギーは除去にも使えました。
蓄霊稲妻は単体でタフネス3までのクリーチャーを倒すことができ、それ以下であればエネルギーを獲得、それ以上であればエネルギーを消費して相手を倒すことができました。
専用のカードが必要でしたが、エネルギーは本当に何でもできたのです。
あまりにも多くの事が出来すぎたためにティムールエネルギーからは2枚の禁止が出ました。
その2枚が霊気との調和とならず者の精製屋でした。
WotCはエネルギーの供給を断つことで、そのデッキパワーを抑えこもうとしたのです。
正直な話をすれば、当時のティムールエネルギーは本当に最強で、それでいて核とするパーツがありませんでした。
エネルギーを使うカードはほぼ全て追加でエネルギーを得る手段を持っており、追加のエネルギー供給手段を消してもそのデッキは環境の一角として君臨し続けるだろう。
少なくとも僕はそう思っていました。
しかし、実際はそんなことはありませんでした。
2/2の牙長獣は安定して攻撃を通すことができず、召使いも安定してマナを生み出すことができなくなりました。
緑を使う意味は薄くなり、エネルギーデッキはグリクシスへと姿を変えましたが、そこにはかつての様な圧倒的強さはありませんでした。
繁栄を極めたエネルギーデッキも、そのエネルギー枯渇によって衰退してしまいました。
エネルギーは大切にしましょう。ではでは!