ロダーシャの考察

MTGについて色々と。(非公式)

リミテッドでは重いカードを使おう

極楽鳥甲鱗のワーム

極楽鳥甲鱗のワームはどちらが強いのか。

極楽鳥 (緑)
クリーチャー ─ 鳥
飛行
(T); 好きな色のマナ1点を加える。

0/1

甲鱗のワーム (7)(緑)
クリーチャー ─ ワーム

氷河期のあいだに繁栄を極めたこのワームは、キイェルドーのありとあらゆる人々にとって恐怖の的だった。その巨体と狂暴な性格が呼び起こした悪夢は数知れない── 甲鱗のワームはまさに、氷河期の災厄の象徴だった。
── 「キイェルドー: 氷の文明」
7/6

1.お互いの手にある場合

今君の手に極楽鳥がいて、相手の手に甲鱗のワームがいたとする。君は相手をうらやましがるだろうか。

答えは「No」だと思う。なぜなら極楽鳥は1マナで好きな色マナを出せる優秀なマナ・クリーチャーとして多くのフォーマットで結果を残してきた1枚であり、今なお特に統率者で活躍している1枚である。

一方の甲鱗のワームは昔からネタにこそされてきたものの構築での活躍実績はその長い歴史から考えれば無いに等しい。(完全に無いわけではない)

平均価格も極楽鳥が2000円を超えるのに対し、甲鱗のワームは45円と大きく差が開いている。

もし君が甲鱗のワームを手放し、極楽鳥を手に入れたのだとしたら、そのトレードは今後語り継がれ、都市伝説になってもおかしくないだろう。

2.対戦中の場合

それでは極楽鳥甲鱗のワームは常に強いのだろうか、というとそんなことはない。

今君の戦場に極楽鳥がいて、相手の戦場に甲鱗のワームがいるのであれば、他に手札やクリーチャーがいないとすればこれほど悲惨なことはない。特に君のライフが7以下なのであれば、次のターン極楽鳥甲鱗のワームをその身をもってブロックし、一方的にやられてしまうだろう。それでも次のターンも何も引かなければ君の敗北は明確だ。つまり、この状態において甲鱗のワーム極楽鳥よりも遥かに強いカードといえる。

これはしばしばリミテッドで起こる。お互いにリソースが切れた場合、より大きいクリーチャーをコントロールしていた方が勝つ。しばしば忘れられがちなのだが、これはかなり重要な事実だ。

3.初手にある場合

時を戻そう。君の初手に極楽鳥がいれば君は喜んでキープするだろう。倒されなければ2ターン目から3マナのカードを出せるし、仮にやられてしまっても1マナで1:1交換できるなら悪くない。逆に甲鱗のワームがいる場合は、他のカード次第ではマリガンを宣言せざるを得ない。それは基本的に7ターン目までは何もしないからだ。この場合(というか大抵の場合)、極楽鳥甲鱗のワームよりも圧倒的に優れているカードといえる。

4.デッキに入れる場合

さて、それではデッキに入れる場合を考えてみよう。

極楽鳥が使えてそれをデッキに入れられる場合、高い確率でそれはデッキに可能な限り多く採用されるだろう。

一方、甲鱗のワームはフィニッシャーとしての動きが魅力的だ。しかし、実際にはより実戦的なクリーチャー(4マナで4/5のサイズを誇るアーナム・ジンなど)がいるため、採用される可能性は少ない。そのため、甲鱗のワームがデッキに入ることはまずないと言っていい。特にMTGではシャドウバースなどのようにマナが毎ターン確実に伸びるわけではないため、マナ加速なしに7マナのカードを7ターン目にプレイできることは稀である。

アーナム・ジン

しかし、忘れてはいけないのはそれがどれほどコスト・パフォーマンスが悪かろうと、除去がないときに場に出されると困るということは明記しておきたい。

5.総括

重要なのは多くの場合においてあるカードがとあるカードより常に弱いということは存在しないということだ。特にリミテッドにおいて構築で全くお呼びがかからないカードが切り札になることは珍しくない。スタッツの大きいクリーチャーはそれだけで活躍できる可能性がある。もし君がリミテッドで2つのカードのどちらを入れるかで悩む場合、より重いカードを採用することをオススメする。終盤にそれを引いたことで勝てる試合はきっとあるはずだ。

ではでは!

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