スタンダードのローテーションが2年から3年に延長されました。
この影響について少し考察していきましょう。
思考実験として現在のカードプールが3年分あると仮定しましょう。
すると、スタンダードで使えるセットは以下の4つが増えます。
・ゼンディカーの夜明け
・カルドハイム
・ストリクスヘイヴン: 魔法学院
・フォーゴトン・レルム探訪
①環境の多色化が進みやすくなる
一番起こりやすいのがこれですね。
各パックのカードプールには多色土地がまず入っており、多色土地の多さはそのまま多色デッキの強さに直結します。
一応アグロ向きの土地も環境に残りやすいのですが、どちらかといえば多色ミッドレンジが強くなりやすいと思います。
②環境の強いカードが環境に残り続ける
登場以降鏡割りの寓話は各フォーマットでその存在感を保っています。
当然それはスタンダードも例外ではなく、これを使う為に赤を使うというデッキも少なくありません。
歴代最強のカードが集まるレガシーでも使われているこのカードは、スタンダードにどのようなカードが登場しても使われる事になるでしょう。
結果として3年間同じカードを見続け、新鮮さがまったく無いという状況も起こりがちになります。
③パック固有のメカニズムが活躍しにくくなる
毒性は強力なメカニズムでした。
しかしブロック制が廃止された事で毒性はファイレクシア: 完全なる統一でしか登場しませんでした。
カードプールが現在の最大8パックから12パックに増える事でこうしたパック特有のメカニズムはより活躍しづらくなります。
以上からこの変更は多色ミッドレンジ優勢の環境を作りやすく、デッキの多様性が失われやすい変更に思えます。
細部は多少違ってくるとは思いますが、使われるカードはどれもほとんど変わらず、期間も3年と長い事から飽きやすいフォーマットになってしまいそうです。
しかし公式で公開された記事には上記と真逆の事が書かれていました。
これはどういうことでしょう。
ポイントとなるのは公式にはスタンダードのカードプールをすべて決定できるという点です。
現在公式はモダンホライゾンや統率者マスターズのような下環境用のセットを多く作成しています。
これは下環境用のセットがよく売れている事を示しています。
公式は今回の変更によってスタンダード向けセットのカードパワーをあげようと考えているのだと思います。
カードプールが増えた事で強めのメカニズムを作ったとしても抑え込みやすくなり、強力な単色カードを作ったとしても暴れにくいと考えているのではないでしょうか。
(絶望招来が3色デッキでも使われている事を考えると結局ミッドレンジに吸収されるだけかもしれませんが…)
また禁止もより頻繁に行われるようになるかもしれません。
特に今回本来ローテ落ちするはずだった神河: 輝ける世界やニューカペナの街角のカードは、かなり規制されてもおかしくない位置にあります。
あとは多色土地の出現頻度が下がるという可能性もあります。
現在のカードプールであればこの先1年多色土地が増えなくても問題なく多色デッキが組めますしね。
個人的にはよりカードパワーの上がった多色ミッドレンジが結局強くなるのでは?と思っています。
はたして。ではでは!