今日はこちら。
ようやくすべての情報が出揃った。
私はこの気高くも美しい一匹の灰色熊について今日語れる事を嬉しく思う。
長い前置きは無しにして、さぁ始めようか。
バルダーズ・ゲートにようこそ。
ウィルソンは種族としては一般的な灰色熊と何も変わらない。
だが彼の才能や能力がその存在を伝説的なものとしている。
彼は警戒心が強く、君に危機が迫った際にすぐ行動できるよう万全の準備を整えてある。
恵まれた大きな体は空を飛ぶ厄介な相手を叩き落とすのにも使う事ができる。
反撃に回った際にはその足を並大抵の者では止める事ができない。
彼の厚い毛皮にかかれば弱い呪文では彼に傷1つ付けられないだろう。
彼の物語は今やバルダーズ・ゲートにおいてとてもよく知られたものだ。
最早何物もその話を無かったことにできない。
彼はいかにして平凡な野獣から非凡な英雄へと産まれ変わったのか。
その鍵は彼の産まれや境遇にあるのだが…その詳細は君の頭の中にある。
彼が最も輝くのは彼が戦場で切り込み隊長としてその力を振るう時だ。
上品という呼び名に恥じず彼が貴族の生まれであることを明かしたならば、彼の成長は今尚留まる事を知らない。
勿論ノブレスオブリージュとして彼はその力を平等に分け与える必要がある事を理解している。
しかし、その一方で彼らがその力を彼に向ける事はないという事も理解している――少なくともその賄賂が有効な限りは。
もし彼がいかなる対価を払おうとも力を欲するアブソリュートの信者であれば、彼の攻撃はより致命的で、止めづらいものとなるだろう。
その体はより強く歪に変化し、敵に強力な一撃を喰らわせるようになった。
その毛皮はより硬く歪に変化し、敵の強力な一撃を弾けるようになった。
代償として彼は毎朝仲間の命を喰らう事となる。
だが上品な彼にとって低俗な存在の命等考慮するに値しない。
あるいは彼は巨人の元で育ち、その強さを磨いたのかもしれない。
彼がその両親の教えを思い出した時、自然が生み出したその圧倒的な力は相手を為すすべなくねじ伏せてくれるだろう。
他にも彼は酒場流喧嘩殺法の持ち主で、活気にあふれた酒場から得た新しい武術を君に授けてくれるかもしれない。
あるいはキャンドルキープの賢者として、埃にまみれた書物から得た新しい戦術を君に授けてくれるかもしれない。
いずれにせよ今の段階でわかっている事は彼の力は未だ未知数で、まだ十分には発揮されていないという事だ。
こちらの話はこれで終わりだ。ぜひ君の話を聞かせてほしい。ではでは!