ゼンディカーの夜明けの実装と同時に、とあるカードが環境を完全に支配した。
名は創造の座、オムナス。
ドローに回復、マナ加速にバーンと1枚で何でもこなす彼を中心に、二大勢力が競い合った。
北はオムナスランプ。
寓話の小道や耕作で上陸を1ターンに複数回起動させ大量のマナを生み出し、そこから発生の根本原理につなげ勝負を決める。
対する南はオムナスアドベンチャー。
爆発力は劣るものの安定性は群を抜く。
果たしてどちらが強いのか、両者激突と思われたまさにその時。
不慮の事故により創造の座、オムナスが還らぬ人に。
トップを失った両陣営は、すっかり戦意喪失。
他にも貴重な戦力を失った彼らは最早戦える状態ではない。
こうしてかつて栄華を極めた二つのデッキはそのまま自然消滅し、環境から姿を消した…かに思われた。
昨日の敵は今日の友。
失ったものは大きいが、まだまだ仲間は残っている。
こうしてトップを競って戦った二人が手を取り合い、ついでに有力選手も引き入れて再びトップを目指し始めた。
基本戦術はアドベンチャーです。
各種出来事呪文とエッジウォールの亭主でアドを稼ぎつつ盤面を構築していきます。
幸運のクローバーや僻境への脱出が消えたことで、土地があほほど伸びることがなくなり、願いのフェイからフィニッシュ手段につなげる構築ができなくなりました。
そこで投入されたのが発生の根本原理です。
峰の恐怖がいる状態で比較的パワーの高い出来事クリーチャーを出す動きはそのまま決定打につながります。
決定力はあるものの序盤が弱くアグロに弱いランプと、序盤が強いものの決定力がないアドベンチャーデッキが手を組み、互いの弱点を補いあった素晴らしいデッキが完成です。
この薩長同盟を結ばせた影の立役者が獲物貫き、オボシュです。
通常アグロデッキで使用されていたこのカードは、しかし相棒メカニズムの弱体化とともに鳴りを潜めていました。
アグロデッキでは5マナすらギリギリ出るかでないかのマナ域であり、まして3マナも払うと1ターン費やすことになり、その隙に全体除去を通されてしまうともうゲームに勝つことができません。
以前はそこそこ見かけたカードだったのですが、それ以来一気に表舞台から姿を消しました。
ですが、それで諦めたわけではなく、虎視眈々とトップメタの座を狙って刃を研いでいたようです。
大切な仲間を失い環境から姿を消したカード達が、一堂に会しトップメタを狙う姿はまるで少年漫画の様。
彼らの戦いはまだまだこれからです!ではでは!