今日はこちら。
ミラディンのオキシダ連峰に住んでいたゴブリンの男性。
生粋のギャンブラーで、最大の特徴として幸運をもたらす親指を持っていた。
しかし、それがギャンブルである以上常に勝ち続けるというわけではない。
ある日ヘリオンレースでダーグに負けたことで両手の親指を失ってしまう――何より大切な親指も。
どうしても親指を取り返したいクラークは、ダーグに自分がミラディンの中心へ行って生きて帰ってこられるかについて親指一本を賭ける賭けを持ち掛けた。
お前には親指がもうないじゃないかと言うダーグに対し、クラークは大丈夫と答える。
数週間後、彼は帰還した――旅の詳細を事細かに記した書物と共に。
彼はミラディンの中心へ行ったのだ。
ダーグは溜息をつくと彼に親指を返した。
クラークは死ぬまでその親指を幸運をもたらすお守りとして首からぶら下げていた――その旅によって異端として処刑されるまで。
彼の死後、彼の書物を元にミラディン内部に秘密の世界があるとする教団「クラーク教」が成立。
それを信じるゴブリン達の部族がクラーク族である。
2マナ2/2の伝説のゴブリン・ウィザード。
戦闘能力としては熊でしかない。
ウィザードなのは意外な所。ギャンブルで使ってないだろうな?
インスタントやソーサリーを唱えるたびにコイン投げを行い、負けたら手札に戻し、勝ったらコピーするというギャンブルな効果を持つ。
運任せではあるもののすべてのインスタントやソーサリーを倍にできれば2マナとは思えない働きをするだろう。
半面、負けるとマナだけ失うことになるのでリスクも大きい。
コイン投げを行う運任せになるため、カジュアルプレイヤー向けのデザインであり、プレヴュー段階ではカスレアの一枚だろうと思われた。
しかし、レガシーで早速結果を残した。
若き紅蓮術師は唱えるたびにトークンを生むし、戦慄衆の秘儀術師は墓地から唱えた場合なら例え手札に戻ってもアドバンテージとなる。
そもそもの話。彼はギャンブルで負けたとしてもすべて失うわけではない。
彼が失うのは支払ったマナだけであり、手札は失わないのだ。
よって軽い呪文であれば当たるまで何度でもギャンブルすることができる。
特に罠や統率者スペルのような0マナカードであれば、それこそ当たるまでガチャを引き続けることができるのだ。
Krark's Other Thumbのフレーバーテキストによれば、クラークは親指を失ってすぐに「倍か0かだ」と行って戻ってきたゴブリンらしい。
ただこの賭けは負けてもすべてを失うわけではない。
一見公平な様に見えて実はちゃっかり分のいい賭けなのだ。
こういうのもギャンブラーにとって重要なテクニックと言えよう。
冒頭の賭けも彼がミラディンの中心で死んだ場合、その後彼が取り立てられるものはないため、何も賭けていないに等しい。
(余談だが、クラークのもう一本の親指にも何らかの効果がある場合、クラークが片方のみを賭けたことに矛盾が生じる。
彼は自分のもう一本の親指にも幸運の効果があることを知らなかったのだろうか?)
一見公平に見えても実は見えない落とし穴が。
注意深く生きていきましょう。ではでは!