今日もこちら。
前回のあらすじを30分ほどかけて。
一回戦の対戦相手は山。
運用上最大の山側のメリットはライフを支払わずに赤マナが出せる点だろう。
しかし、赤単アグロに関していえばこのメリットは極めて薄いといえる。
なぜなら赤単アグロがこの点が問題になるほど長くゲームを行った場合、多くの状況ですでにゲームに敗北している可能性が高い。
もちろんアグロ同士の対戦であれば、この差が勝敗を分けることもあるだろうが、逆に山が一枚ラムナプの遺跡であったことが勝利にもつながるのでそこはトントンと言ったところ。
他のフォーマットであれば特殊地形対策に引っかかる、山というタイプを持っていない、フェッチランドで持ってこれない等の差異が大きくなりますが、現状ヒストリックではそこまで問題にならず、赤単アグロで採用する場合には山より強いといっていいだろう。
二回戦はエンバレス城。
土地でありながらダメージの底上げをしてくれる為赤単に入る特殊土地という点で共通しているものの、両者の使用法はまるで違う。
エンバレス城が活躍する場面は自分のクリーチャーが大量に並んでいる状況であり、手札と戦場が枯れた状態では何もできないものの2点より大きなダメージを狙うことができる。
土地を失わずターンが続く限り起動することができる。
起動の為のコストも(1)少ない。
一方のラムナプの遺跡は、常に二点ダメージを与えることができる。
また他に砂漠があればそちらを生贄にすることで複数回の起動が見込める。
どちらにも利点はある。
しかしフィニッシュ手段と考えればラムナプの遺跡側に軍配が上がるだろう。
なぜか。クリーチャーが残っていて、攻撃を通せる状態であれば、多くの場合勝利できるからだ。
相手のライフが残り2であった場合、エンパレス城であれば場のクリーチャーを流すだけで少なくとも次のターン確定で死ぬことはなくなる。
一方でラムナプの遺跡の場合、クリーチャーを除去しつつもラムナプの遺跡に対処しなければならない。
これは非常に難しいことだ。
多くの土地を破壊できるカードはそれだけで仕事を終えてしまい、クリーチャーの対処まで手が回らない。
戦争の犠牲に頼るようであれば、クリーチャーは残るだろう。
相手が原野から大量のブロッカーを出してきたとしても関係なく、ただ相手のライフが2以下であるという理由だけで相手を倒すことができる。
これもラムナプの遺跡側のメリットだ。
もう一つ実はラムナプの遺跡には一つ隠れたテキストがある。
それは「ラムナプの遺跡はアンタップ状態で戦場に出る。」と言うテキストだ。
エンパレス城の場合、山が無ければタップインするという一見ありえそうにない条件が書いてあるが、赤単アグロのように土地を極端に減らしているデッキの場合、手札の二枚の土地が両方エンバレス城という可能性は否定しきれない。
仮に山16枚、エンパレス城4枚とすれば手札の土地が全てエンパレス城の確率は5%だ。
これは大きな問題であり、相手の土地がタップインするなどもたもたしている間に勝負を決めようとしているアグロにとって序盤の土地がタップインしてしまうということは概ね負けを意味する。
その点においてラムナプの遺跡が常にアンタップインするというのは、非常に大きなメリットと言える。
共存はできないだろうか?
現在ヒストリックの赤単アグロの主なデッキタイプである赤単バーンには土地が20枚しか入っていない。
内4枚がラムナプの遺跡であり、山が16枚しか入っていないことを踏まえれば、エンパレス城の投入はアンタップする可能性を減らしながらアンタップインしない可能性のある土地を増やす非常に危険な行いであり、やめた方がいいだろう。
加えて赤単バーンのカードはそのほとんどが1マナであり、1ターンの遅れが致命的な差になりかねない。
投入するのは控えるべきだろう。
ついでにラムナプの遺跡がアンコモンなのもうれしい。
とはいえ多くの人はエンバレス城を持っているだろうが…。
また当時のスタンダード環境のように陽焼けした砂漠を入れるのは控えるべきだ。
1マナのカードを三枚使用したり、サイドにはゴブリンの鎖回しとか言うのもいるので、赤マナが出ない土地は非常に邪魔になるだろう。
スタンダード禁止カードの力を存分に使ってみてほしい。ではでは!