ヒストリック・アンソロジー3に収録されるファイレクシアの抹消者について語るには、
まずファイレクシアの抹殺者について語らなければならない。
この2枚は個人的にどちらも好きなカードだ。
まずはファイレクシアについて。
古代ドミナリア次元で数々のアーティファクト技術で繁栄を極めたスラン帝国で疫病が蔓延した。
解決に向けて研究していた医師の一人が、ご存じヨーグモスである。
そんな彼の元に一人のプレインズウォーカーが訪れる。
彼から人工の次元を与えられたヨーグモスは「生命と機械の融合」という信念を元にその次元を作り替えていく。
彼はその次元に疫病の患者を連れ込み肉体改造を行って戦力へと作り替え、
スランへ侵略を始めた。
この戦争の結果、スランは崩壊したものの、
ファイレクシアとスランを結ぶポータルが封印されてしまった。
ヨーグモスはプレインズウォーカーではないため、
ファイレクシアに閉じ込められてしまう。
封印から4000年後、ウルザとミシュラによってコイロスの洞窟内にあったパワーストーンが持ち出されると、遂に封印が解け、
ファイレクシアとドミナリア連合の戦いが再び幕を開ける。
抹殺者はその一体である。
愛称は「エヴァ」「初号機」。時代を感じる。
3マナ5/5トランプルという狂ったスタッツと、
ダメージを受けるたび、点数に等しい数のパーマネント(土地とかこれとか)を生贄に捧げるというこれまた狂ったデメリットを持っている。
あまりに狂ったデメリットの為、開発部内で「生け贄にしてもいい」に変更すべきでは、という意見も出たほど。
印刷にいたらなくてよかった。
当時はまだ暗黒の儀式が現役だったため、1ターン目から出る可能性もあった。
1ターン目から5/5トランプルが出たら相手としてはたまったもんではないが、
デメリットはやはりきつく、パワー2のブロッカーがいたらそれだけで1:2交換されてしまう。
相手が赤だと火力呪文一発ですべてを失いかねない。
幸いにも登場当時のスタンダードではコンボやコントロールが多く、
赤が少なかったため、軽量のダメージソースとして、
スーサイドブラックやブリッツ・クリーク等数々のデッキで活躍した。
なお、このイラストは上の抹殺者と共にデュエルデッキ「ファイレクシアVsドミナリア連合」で再録された時のもの。
ファイレクシア側の目玉が抹殺者で、ドミナリア連合側の目玉はウルザの激怒とか言う三点火力。
初心者だと一発でやる気を失いかねない。他になかったんか。
また再録禁止カードであるにもかかわらず、Foil版ならOKという言い分により再録されたカード。
ユーザーからの反発によって以降こういった形でも再録禁止するとなったので、
再録された唯一の再録禁止カードということになる。
ただ、そこまで無理を通してでも再録された辺りこのカードの人気の高さをうかがえる。
相手を倒せればそれでよいというスーサイドを代表する一枚。
カードパワーの上がった今では使われないものの、
彼らは終わらせるために存在しているんだ、というフレーバー・テキストとともに人気の高い一枚である。
いや本当に最近のクリーチャーってカードパワー上がったよね…。
明日はついに抹消者の話。ではでは!